先日「ミツバチの羽音と地球の回転」という映画を見に行きました。
一般的なカテゴリー・ジャンルで分けてしまうとすれば、反原発に関する映画になるかも知れないけれど、私が見て感じたのは、ただひたすらシンプルに自然と共存しながら安心して暮らす、そのためのヒントを優しく指し示してくれているような、でもとても力強いメッセージ性のある映画でした。
(以下、ストーリーに触れながら自分の感じたことを書きます。長くなりそうです。)
原発建設が予定されている瀬戸内海・祝島に暮らす人々。
島にある自然…海や山などの恵みをもらいながら、島の生態系を損なわずに調和しながら暮らしています。
そんな平和な島で28年前、原発建設の話が持ち上がりました。
建設を推進する国、県、電力会社、それぞれとの話し合いがもたれますが、圧倒的な経済力と勢力で現在は島に建設許可が下りている状態だそうです。
建設作業日には、作業をするためにやってきた電力会社の船と地元漁師さん達の船が海の上で正面から立ち往生します。電力会社は船の上からこう言います。
電:「原発は安全です。だからそこをどいて作業をさせてください。」
漁師さん達は何も言わず、海を見つめています。
電:「みなさん、農業や漁業だけで生きていけるんですか?無理でしょう。島の発展と活性化のために発電所を作りましょう!」
島の人達自身が望まない発展の仕方を他人が推し進めようとしている…おかしな感じがしました。
別の日。建設についての重要な決議が島の役所で行われる日、役所には大勢の島民が議会を傍聴させてほしいと役員に声を上げて訴えます。でもそれは叶わず、島で一番若い働き手の孝さんがふり絞るような声でつぶやいた一言が心に残っています。
「自分の島がダメになっていくことを見守ることさえ許されないのか…」
この映画では祝島のことだけはなく、映画の作り手である鎌仲監督からのエネルギー生産についての1つの提案~北欧スウェーデンでのエネルギー政策についてのレポートもありました。
スウェーデンでは脱石油・脱原発を決め、着実にエネルギーを自然エネルギーにシフトし、持続可能な社会づくりが進んでいるようです。
その政策の中の1つでとても感動したのが、市民は電気を買うときに、自然エネルギー(風力発電など)にするか、それ以外のエネルギーにするかを決められるそうです。これすごくいいと思うんだけど、なぜ日本で出来ないんでしょう?私も今調べている最中です。日本でぜひ実現して欲しい。
ちなみに自然エネルギーの方が料金も安いんだそうです。
コピー用紙でも再生紙の方が(大抵)高い日本、なんて大きな違いだろうと思います。
私自身はこの映画を見て、「専門家や政治家が決めることだから・・・」と、知ること・考えることを放棄することをもうそろそろ止めないといけないと思う。
原発に関しても知らないことばかりで、私自身の考えや意見はまとまっていないけれど、自分が自分の考えを持って選択する人生を送るために、ちゃんと向き合って考えていこうと思います。
鎌仲監督のこの映画に対するメッセージ
「私たち一般人も参加して、一緒に議論して、どんなエネルギーを使うのか選択する、という方向にしたほうがいいよねというのが私の映画のメッセージなんです」
地震による原発問題について
「日本は、原発を導入してから原発だけを優遇してきて、原発をどんどん建ててきた。そういう国の政策が自然エネルギーを増やすということを阻んできた。?今回のことを、持続可能なエネルギーにシフトするという転換点にしたい。」
映画から帰ってきたら注文していた本が届いていました。
喜んで見ていたらそこに「持続的な供給は可能か」というメッセージ。同じだね。
私は、知ろう・考えようを始めます。
*お読みくださった皆様、長文・散文にお付き合い下さりありがとうございました。